築地・豊洲に集まる世界の美味しいもの発信メディア

本物の生のウニを味わえる!? 塩水ウニを知る

みなさん、塩水ウニを知っていますか? 獲れたてのウニの殻を割り、そのまま殺菌した塩水に入れたウニは、濃厚なコク、甘味が味わえると昨今、人気のウニです。塩水ウニに注目が集まるワケを教えてもらいに、築地で仲卸を営む「大芳」さんへ行ってきました。

 

前回の記事はこちら

生産者がブランドの箱ウニ

 

 

築地でも塩水ウニは扱っている?

シノブ
競り場で塩水ウニを見かけたのですが、最近、増えてきているんですか?

 

宇田川さん
数で言うと箱ウニの方が圧倒的に多いですが、塩水ウニは増えてきていますよ。私も時々、家に持って帰って食べることがあります。

 

シノブ
そうだんですね。塩水ウニはいかがですか?

 

宇田川さん
私は、塩水ウニはパックから開けてすぐ食べないんです。

 

シノブ
すぐ食べないというのはどういうことですか?

 

宇田川さん
一度、水道水で洗い流して、キッチンペーパーに並べて水気をとります。そのあと2、3日冷蔵庫で寝かせるんです。

 

シノブ
寝かせるとどうなるんですか?

 

宇田川さん
不要な水分や苦味が抜けて旨味が凝縮されます。味もまろやかになって、こうして食べると美味しいですよ。

 

▲塩水ウニ

 

 

塩水ウニはレストランや和食店などでその需要を伸ばしてきているそうですが、東京のお寿司屋さんでは箱ウニが主流で塩水ウニを使うところは限られているのだとか。

その理由に塩水ウニは箱ウニと比べ、日持ちがせず、賞味期限は2日。パックを開けたらその日のうちに使い切らないといけません。また塩水ウニは1パックがだいたい100gほどで、寿司店で使うには量が少ないのです。

そしてもう1つ、箱ウニはネタのケースに入れておけば、さっと出してすくって握ることができますが、塩水ウニはパックを開けて水を切って、と手間がかかります。そのような理由から寿司店での需要がなかなか増えないのだそうです。

 

宇田川さん
競り場にある塩水ウニは入荷の一部だと思います。塩水ウニは競りにかけないので、塩水ウニを扱っているところは競り前に引いていきます。

 

築地では100g以下のウニは競りにかけなくて良いことになっています。箱ウニはおよそ300g、塩水ウニは100g以下のため、塩水ウニの競りは行われません。

また箱ウニは、生産者によって選別され等級に分けて出荷しているのに対して、塩水ウニは品質によって等級分けをしている生産者もあまりおらず、競りにもかけられないため、その評価は定まっていません。

 

▲塩水ウニについて語る宇田川さん

 

 

宇田川さん
信頼のできる生産者さんが作ったものを手に入れるのが良いでしょう。塩水、箱にかかわらず、ウニそのものが美味しいかどうかを見極めることが大切です。

 

塩水ウニはミョウバンが使われていないから、といって「美味しいにちがいない」と飛びついてしまわず、本当に美味しいウニかどうかを見極められる目と舌を養いたいものです。

 

 

塩水ウニは溶けやすい!?

私たちが食べている多くのウニは、身崩れを防ぐためにミョウバンなどのタンパク質凝固作用のある食品添加物で処理を施し、出荷されています。一方で、このミョウバン処理を行わず、殺菌海水や食塩を水に溶かした人工海水とともにパックしたのが塩水ウニです。

 

塩水ウニは表面をミョウバンで固めていないため、ウニが塩水に溶け出し、塩水が白く濁ります。白く濁っても、すぐに水からあげて食べれなほとんど味が落ちることはないそうですが、そのままにしておくと、ウニの表面が濡れ、濡れた箇所が弱くなり、身が切れてしまうことがあるそうです。

 

塩水ウニのパッケージに「輸送中の振動で水が濁る場合があります。品質には影響ありません」と記載されていることがあります。これは、ウニが塩水に溶け出してたことが“濁り”につながっているのです。

 

ちなみに、塩水を白く濁らしているのは“オス”の中身が溶け出しているからなのだそうです。私たちが食べているウニは卵巣と精巣の2種類があるのですが、卵巣をメス、精巣をオスという言い方をします。

 

オスとメスは色が違うと言われていますが、その差は肉眼で見分けることは難しいそうです。ただエゾバフンウニは、オスの方が黄色っぽく薄い色をしていて、メスはオレンジ色がかって濃く、色の差がはっきりしていて分別が可能です。

 

最も生に近い状態の海水ウニ。水が濁っておらず、身崩れをしていないカタチのはっきりしたものを選ぶと良いそうです。パックから出したらよく水を切り、冷蔵庫で少し寝かせ、味わってみてください。濃厚なコクと甘味を堪能できることでしょう。

 

 

ぜったいに試してみてほしい絶品!ウニごはん。

「大芳」でウニを担当する宇田川さんはもちろん大のウニ好き。そんな宇田川さんに、美味しいウニの食べ方を聞いてみたところ、なんと「ウニごはん」という答えが返ってきました。そのレシピを紹介します。

 

【材料】
ごはん 1膳
ウニ  適量
ノリ  適量
生卵  1個
醤油 少々

  • 茶碗にごはんを入れる
  • ノリをちぎり、ごはんの上にウニ、生卵をのせる
  • 醤油を好みでかけ、すべてを混ぜる

 

 

すぐできて超簡単!そして超贅沢で絶品のウニごはんです。
実際に食べてみた時の記事はこちら!

 

これはクセになる!極上のウニ丼を食べてみた結果

 

皆さんもぜひお試しください!

by
編集者/ライター。東京・下町生まれ。旅と町歩きとカメラが趣味。人生最後の晩餐はお寿司と決めている魚好き。